国内メーカーとして各省庁等に真空管試験器を納めていた国洋電機ですが、まとまった資料も無く、製造機種について不明な点が多いです。
国洋電機の真空管試験器の型名を、把握している範囲でまとめてみました。
主に当方の入手したものや、説明書記載の型名を参考にしていますが、間違いや他機種をご存知の方いらっしゃいましたら、ご指摘頂けると嬉しいです。
一部このブログに記事のあるものはリンクを挟んであります。
Gm試験器のみのまとめです。エミッション試験器は含まれません。
型名について
国洋電機の試験器の型名は多くが英字と数字の組み合わせですが、
・英字VGは国洋電機の型名
・英字WTは電電公社仕様の型名
・英字JIまたはNTV(これは防衛庁側の規則?)は、防衛庁自仕様の型名
ではないかと推測されます。
後ろの数字は単純に各仕様での納入順ではないかと推測されますが、飛びも多いように思えるので不明です。
小型試験器
主に上写真のような可搬トランク1メーターのGm試験器です。
P電圧は固定レンジの飛び飛び、各部電圧電流が直接メーターで読めないものが多いです。
・VG-7 上写真と違いサムロータリーなし、電圧電流メーターで監視可 古い
・VG-7D 比較的新しい ソケット、チャートから電電公社の為の試験器にも見える
・VG-14A 比較的古い 航空局などにも納入されていたよう
・VG-16 (VG-14A相当)
・WT-005 (VG-7相当)
・WT-009 (VG-14A相当)
・N-TV-1 (VG-7相当)
・N-TV-5 比較的古い (VG-14A類似?)
大型試験器
主に2メーター、各電圧が連続可変で、各電圧電流がメーターで読める大型の物です。
上写真はGm9(VG-6D)ですが、VG-4のシリーズはもう一回り大きいです。
このクラスの物があれば一般的な受信管の測定で困ることは無いと思います。
・VG-2 (電波庁302型) VG-4と大差無しとの記載
・VG-3 NHK仕様 VG-4と大差無しとの記載
・VG-4 大型2メーター
・VG-4F VG-4に定電圧放電管試験、電極間絶縁抵抗試験等の機能を追加
・VG-4G VG-4Fと比べて電源等細かい改良がされている
・VG-4G-N VG-4Gまでとは大きく異なる最後期のもの、ピン式ソケット切り替え
・VG-6 VG-4を小型化したもの 筐体中央に2メーター
・VG-6D VG-4シリーズに比べ一回り小型 上写真のもの
・Gm-6 (VG-6相当)
・Gm-9 (VG-6D相当)
・WT-001 (VG-4同等)
・N-TV-1A (VG-4G相当)
・N-TV-3A (VG-4G相当)
カード式試験器
上写真のようなパンチカードを電動リーダーで読み取りソケット接続、各部電圧を自動設定しGm試験するものです。いずれも残存数はかなり少ないようです。
これだけのレベルの試験器を製造していたのは世界的に見てもHickokと国洋電機くらいのものだと思います。
・VG-13A 詳細不明
・Gm-10 NHK仕様のカード式 上写真のもの 1メーター
・WT-008 ラックマウント式、電源別筐体 2メーター