AVO CT160 真空管試験機
非常に良く出来た試験機です。
P,G2電圧がステップ設定とはいえ、可搬の真空管試験機としてまともに任意動作試験が出来るのはこの試験機のみだと思います。
対応ソケットが多く、特に欧州古典管のソケットは重宝します。
G電圧は-40Vまでとやや物足りませんが、デフォルトで-80Vまで設定可能なCT160Aというものがあるそうです。
回路はプレートに交流をそのまま突っ込むなど非常に割り切りが良い一方、B電源とA電源のトランスは分けるなど、要所を押さえた流石の設計です。
国産可搬試験機が丁寧な回路にするあまりスペックを落とし、まともな測定が出来なくなってしまっているのとは対照的です。
コンデンサもほとんど使用されていないので、故障の心配も少なそうです。
欠点をあげるとすれば、Gm測定がダイヤルを回して基準目盛りに合わせるためやや精度に欠けること。プレート電流調整の操作もややクセがあります。
またダイヤル機構などが複雑で故障した場合の修理が難しいこと、メーターがフルスケール30μAと、破損した場合に代替品の入手が非常に困難な点も注意が必要です。
マニュアル掲載管種も非常に多く、掲載されてない球についても、データシートさえあれば測定可能な点は大きなメリットです。
トータルで見て、可搬試験機としてもっとも高性能な物と思われます。