スピーカー用コイルの測定 (1)概要、測定環境

自分で読んでみても長くて疲れる記事なので、手っ取り早く結果が知りたい人はこの記事と(8)のまとめ記事を読んでください。

 

掲載にあたり1つの記事に収まりそうも無いので8つに記事を分けることにしました。

(1),概要、測定環境(この記事)

(2),測定したコイルの紹介

(3),インダクタンス,Rs特性

(4),歪率特性(暫定)

(5),信号レベル別インダクタンス特性(歪み)

(6),インダクタンス変化の影響

(7),線径によるRs周波数特性の差異

(8),まとめ

 

概要

スピーカーのパッシブネットワークにはLCRが使用されますが、CRについてはオーディオ帯域でほとんど理想的特性を得ることが出来るため、唯一コイルがボトルネックになっています。

 

コイルは空芯とコア入りに分かれ、そのコアや線材についても様々な種類があるためそれらの違いによる特性変化や音質への影響が議論されています。

しかし実際にはメーカーごと品種ごとに特性が変わるため、大きく括って一般化が難しいので今回各メーカー8種のコイルを測定してみました。

 

注意点

注意点として

・測定結果等について保証できません。測定方法や結果に問題点があれば指摘していただけると嬉しいです。

・特定メーカー、特定値(今回1.2mHメイン)の測定結果であり、同構造でもメーカーの違うもの、同種でも値の違うものの特性が今回の結果と同様の傾向を示すとは限らないこと。

・LCRメーターによる低信号レベル測定のため、特に低能率スピーカーや大音量再生では実際の動作との乖離があること。

・今回測定したパラメーターがスピーカーに影響を与える全てではないこと。

・当たり前ですが、いわゆる音質(各人の好み)を表すものではないこと

があります。

 

測定環境

 

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測定環境について

・LCRメーター エヌエフ回路設計ブロック ZM2372

・実効値電子電圧計 HP 3400A 

・電流検出抵抗 実測1.007Ωのもの(使用時メーター補正オン)

・補助として YHP 4260Aユニバーサルブリッジ 及び DRE EE DE-5000

・測定値に影響の出ないよう木製の机の上で測定を行いました。

 

事前にHP 3400AがLCRメーターの動作に殆ど影響を与えないことを確認してあります。